荘襄王(しょうじょうおう)は、始皇帝えい政の父親です。
実はとっても辛い人生を送らざるを得なかった荘襄王。
秦の国に翻弄されて、王に即位してからたったの3年で死去するまでの35年の人生は、自分の意志ではなかった…!?
キングダムえい政の父親としての人格、そして人生を紐解いていきます!!!
荘襄王(始皇帝の父)はどんな人?
荘襄王(しょうじょうおう)は、始皇帝えい政の父親。
秦の5代目の王様です。
父親は、えい政のおじいちゃんである孝文王。
母親は夏姫と言う孝文王の妾で、出身地は明らかにされていません。
祖父である昭襄王(始皇帝えい政のひいじいちゃん)は、秦の王様として他国から恐れられる程の存在。
昭襄王についてはこちら▼▼▼
荘襄王は、子供の頃【異人】と呼ばれていました。
異人は、昭襄王(じいちゃん)の命により、子供の頃趙の国に人質に出されてしまいます。
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じいちゃんに人質に出されるって…!
異人が趙の国に人質にされていた頃、昭襄王が趙をバンバン攻めまくるので、趙の国の人から反発されてかなり冷酷な仕打ちを受けていたそうな。
異人は趙で常に監視され、毎日のご飯もままならず、着ている服もボロボロ。
そんな異人を救ったのが、韓で商人として大成功を収めていた呂不韋。
呂不韋は、異人の出生・境遇を全て調べ尽くした上で
異人を将来王にして自分が出世する事を企みます…!!
まず、異人の父である
- 孝文王
- 正式な妻である華陽夫人
の間に子供がいないことに目を付けた呂不韋。
孝文王は次男なので、王としての継承権は遠い存在でしたが、
父である昭襄王の後継ぎとして任命されていた長男は、人質として行っていた魏の国で亡くなってしまい、昭襄王の後継ぎとして確定していた孝文王。
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どうやら長男には子供がいなかったみたい
なので、
- 異人を孝文王と孝文王の正室である奥様の養子にしておくことで、異人が王位継承者になれる!!!
と読んだ呂不韋。
異人の母は孝文王の妾だったのと、孝文王に既に愛されていなかったこともあり、このままいくと異人が王になれる確率はゼロに等しい!
呂不韋がしたことは、まず異人にキレイな服を与え、優雅な生活を送らせます。
そして自分の愛人【趙姫】を気に入ってしまった異人に、【趙姫】も手渡します。
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この時、趙姫が呂不韋の愛人だという事を異人は知らなかったみたい…!
異人に贅沢三昧をさせている間に、孝文王の正式な奥様である華陽夫人の弟に働きかけます。
(姉に働きかけたとの話もあり)
そして
異人はとても聡明で名声高い人物です。
そんな異人が、あなたと父である孝文王の事を想って夜毎泣いております
と伝える。
華陽夫人の姉には財宝をプレゼントし、華陽夫人の周りを固めて華陽夫人に取り入る呂不韋。
華陽夫人には孝文王との子供がおりません。
孝文王が死んだら側室の子が後を継ぐでしょう。
そうなると、あなたの立場は悪くなります。
それよりも名声高き異人を養子にしておけば、異人が王になった時、あなたは皇后になれます。
と囁く。
華陽夫人は自分の立場が悪くなるのを恐れ、孝文王に異人を養子にすることをお願いし続けます。
そうして異人は見事、呂不韋の思惑通り
- 孝文王
- 華陽夫人
の正式な養子となりました…!!
荘襄王の父親は孝文王だけど、母親は
- 産みの母親
- 義理の母
の2人になったよ!
このとき、異人は呂不韋に感謝し
私が王になった時はあなたに位を授けよう
と約束します。
荘襄王が始皇帝えい政を置いて秦へ
異人は、義理の母となる華陽夫人に敬意を払う為、華陽夫人の祖国【楚】の文字を取って
- 子楚
という名前に改名。
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ここから異人を子楚と呼ぶよ!
見事、子楚に恩を売った呂不韋ですが、この時点で孝文王はまだ王になっていません。
まだ昭襄王が元気満々だったんですねぇ…
おじいちゃんになっても政権を譲らない昭襄王。
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今で言う麻生元総理みたいな…?
その後、昭襄王がまたもや子楚がいる趙の国を和解を破って攻めます。
これに怒った趙は、子楚を処刑する事を決定。
ここを救ったのも…呂不韋!!!
呂不韋は趙の役人に賄賂で買収し、子楚を秦に逃亡させます。
この時、
- 子楚の奥さん【趙姫】
- 始皇帝になるえい政
は秦に連れていけなかった…!!!
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どうやら子楚は処刑される道中で秦に逃げ出したようで、妻とその子供(えい政)は一緒に行動していなかった模様。しかし妻子を趙に置いていったことで、趙姫とえい政は地獄の生活を送ることになり、後に妻から恨まれる要因になる…!
秦の国に戻った子楚は、自分の母となった華陽夫人に楚の国の衣装を着て挨拶に伺うと、華陽夫人は大喜び!
その6年後、とうとう不死身の昭襄王がお亡くなりに…!
74歳で老衰で亡くなった昭襄王。
この時点で次の王となった孝文王は既に54歳。
…ですが。
なんと孝文王は即位して、たったの3日でなくなります…!!
これね…暗殺説があるんです。
呂不韋が早く子楚を王にする為に、孝文王を殺したのではないかと…。
孝文王暗殺説▼▼▼
そんなこんなで、とうとう子楚は32歳で王に!!!
荘襄王がとうとう王に!…しかしたった3年で没
子楚が王になると、呂不韋は宰相に…!!!
とうとう頂上まで上り詰めた呂不韋。
子楚が王になると、趙の国に置いてきた呂不韋の元愛人で妻【趙姫】とその子供【えい政】を秦に呼び戻すことができた。
子楚は名前を荘襄王(そうじょうおう)とし、秦の国を更に強大にするため政治を取るが、わずか3年で死亡。
この時35歳という若さ。
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死因は不明で、荘襄王も呂不韋に暗殺されたのではないか…との疑惑もある
荘襄王が王になった時、部下たちはみな先代王に仕えていた人達ばかり。
その者達がいるからこそ、秦の王様がコロコロ変わっても力は衰えず領土を拡大していったが、呂不韋からすると自分の思い通りにはならない。
という事は、
荘襄王が死ねば、幼いえい政を自分が操る事ができる…
呂不韋は、もしかするとそう考えたかもしれません。
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あくまで私の憶測です
更に荘襄王の妻、趙姫は荘襄王の事を好きで結婚した訳ではなく、呂不韋に無理やり結婚させられており、趙姫は呂不韋の事がずっと好きだった。
その事から、もしかすると趙姫と呂不韋が策略して荘襄王を暗殺したのかも…。
真相は闇の中。。。
荘襄王の子【えい政】は自分の子供ではない…?
呂不韋の愛人【趙姫】を気に入った荘襄王は、無理を言って呂不韋に趙姫をもらいます。
この時、趙姫は呂不韋の子供を身ごもっていた…との話があります。
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趙姫は呂不韋と一緒になりたかったけど、呂不韋が言うので無理やり荘襄王と一緒になったみたい
妊娠していたことをひた隠しにして荘襄王と一緒になった趙姫。
そんな趙姫が産んだ子が、後の始皇帝【えい政】
但しこれには賛否両論あり、
- 趙姫と荘襄王が一緒になった時期
- 出産の時期
がずれているから、呂不韋の子ではないとの意見も。
えい政が産まれたのは、紀元前259年2月。
趙姫と荘襄王が出会った時期が不明なので、正直えい政が誰の子なのか分からず…。
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えい政の幼少期は生きるか死ぬかの壮絶な生活だったみたいで、もはや誰が父親かどうかはえい政自身、どうでも良かったのかも。
キングダムの漫画では、えい政は呂不韋の子供ではないと解説しています!
昔なので、確実な妊娠時期の数え方などは今の時代とずれていたかもしれません。
確実に言えるのは、
- どんな親から産まれていても、始皇帝えい政ほど王の素質を持った人間もいなかった
という事。
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父である荘襄王は頼りないし、母である趙姫はえい政を愛しておらず、殺そうとしたりひどい仕打ちばかり。今の時代だとかなりひねくれて育ちそうだけど、えい政は立派な王になった
荘襄王の子供は2人
荘襄王には、始皇帝えい政の他に、成蟜(せいきょう)という次男がいます。
- 長男:嬴政(えいせい)
- 次男:成蟜(せいきょう)
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キングダムの映画でも、嫌味タラタラの演技をしていたえい政の弟【成蟜(せいきょう)】
成蟜の母親はえい政の母とはまた別の人で、秦の国に逃げ帰った時に
- 趙姫
- えい政
の無事が確認できなかった為に、血のつながった母【夏姫】を安心させるため、韓の国出身の女性との間に子を作りました。
成蟜は、
自分は王の血が流れていると正当な王族だ!
と映画や漫画では言っていました。
その理由が先ほどの
- えい政の母親が歌姫出身の民間人だから
という事なんですが…もしかすると
父親は呂不韋?なんてことも頭にあったかも。
えい政の父親が呂不韋で母親が趙姫だと、えい政はそもそも「外国人」という事になり、秦の国をそもそも破滅させてしまう存在ににもなりかねない。
本当の王位継承者は俺だ!!!
と成蟜が言ったのも、次男だからとかそういう問題ではなく、
- 他国の血が混ざったお前に秦の王の座を渡す訳にはいかない!!!
そんな思いがあったのかもしれません。
成蟜はえい政を認めていないが、王位継承者はえい政。
成蟜が反乱を起こしたのも分からなくもない気もしますが、荘襄王自身も
えい政は呂不韋の子かもしれない…
と疑っていたからこその、兄弟間の争いの元になっているのではないでしょうか。
キングダムの他の実在するキャラクターも要チェック!!!
まとめ
荘襄王はとても可哀そうな人ですよね。
子供の頃から父親には愛されず、おじいちゃんに他国に人質に出され、本来なら人質と言っても王族ならそれなりの待遇をされるはずが、おじいちゃんのせいで人質先でいじめられる。
粗末な服装と食事しか与えられず、やっと裕福な暮らしができるようになったかと思えば、その生活をさせてくれた人は自分を利用しようとしている人。
一番愛した女性も、自分を利用する呂不韋の愛人。
そしてその子も呂不韋の子…。
秦に戻れば王になっても3年で没。
王になっても、先代の王に仕えていた優秀な部下たちが秦を守ってくれたのと、宰相になった呂不韋に操られそこまでの権力もなかったのでは…?
35年という短い人生を、人質、操り人形で終わった荘襄王。
今天国で何を想っているのかな…
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